ポケットアートTシャツ「Chikuchiku」の制作現場をご紹介

刺し子をポケットにあしらったアートTシャツ「Chikuchiku」が、TARROW TOKYOとコラボレーションし、新たに3つのアイテムが誕生しました。今回、Chikuchikuの制作に協力いただいている2つの施設「ミコミコ」、「地域作業所hana」にお邪魔し、制作現場を見せていただきました。

equaltoオリジナルアイテム「Chikuchiku」がTARROW TOKYOとコラボ!

アパレルブランド「TARROW TOKYO」(タロウ トウキョウ、以下:TARROW)とのコラボレーションにより、「Chikuchiku」の新たな3アイテムを2025年1月から順次販売を開始しました。すでに発売されているスウェットシャツやロングTシャツは、販売後に完売のアイテムもあり、大変ご好評をいただいています。

▲STANDARD TEE Ⅱ equalto edition (2025年3月14日発売)

equaltoのオリジナルアイテム「Chikuchiku」が誕生したのは2017年。つくり手の感性によってうみ出されるポケットは、まるでアートのような唯一無二のデザインが魅力で、equaltoを代表する人気のプロダクトの1つでもありました。その「Chikuchiku」に、「equalto」と「TARROW」の魅力が掛け合わされたダブルネームアイテムが新しく加わりました。

今回、TARROWの定番商品である STANDARD TEE、LONG TEE、吊り裏毛スウェットに、equaltoの手仕事によるポケットが加えられた3つの製品が完成。

▲WIDE CREW NECK P/O equalto edition BLACK

これらのアイテムは、2つの福祉事業所の協力によってうみ出されています。ポケットの刺繍は「ミコミコ」(神奈川県横浜市)でひと針ひと針丁寧に施され、縫い付けは「地域作業所hana」(千葉県木更津市)で、ミシンを使い細部まで丹精に仕上げられています。

今回は、それぞれの施設での制作現場をご紹介します。

 

自由な発想でアートが生まれる場所~福祉事業所「ミコミコ」~

神奈川県横浜市にある福祉事業所「ミコミコ」は、第一事業所と、第二事業所の2か所が徒歩圏内にあり、喫茶、製菓、手芸など、さまざまな作業に取り組んでいます。

施設には、障がいのある方々がさまざまな年齢層で集まり、利用者一人一人のペースに合わせた支援が行われており、その日の体調や気分に応じて調整され、安心して作業できる環境が整っています。

▲地域の方に人気の焼き菓子

▲利用者の方のアイディアから生まれたキーホルダー

ミコミコでは2019年から「Chikuchiku」の制作に携わっており、取材に訪れた当日は、6名の方が作業をされていました。

「Chikuchiku」は、ポケット型に成形された生地に、色とりどりの糸を使って、ひと針ひと針刺して制作していきます。必要に応じてスタッフの方がアドバイスやサポートを行いますが、基本的には利用者の方の自由な発想で作ることを一番大切にされています。

制作には細い糸を使用するため、針に糸を通したり、刺す際に糸が切れないようにするなど、細部に技術を要するのだそうです。

▲利用者の方同士が、声を掛け合いながら和気あいあいと作業されていました。

刺し子歴が10年以上の長い裁縫経験を持つ方から、初心者として裁縫を始めたところ手先の器用さも相まって、気が付いたら夢中になって技術が向上したという方まで、さまざまな方がいらっしゃいました。

糸がとても細いため、針に糸を通す事も一見かなり難しいのではと感じましたが、利用者のみなさんは手慣れた様子で糸を通し、高い集中力で作業をされている姿が印象的でした。

「Chikuchiku」の制作について、担当される利用者の方にお話を伺ってみたところ「自由に考えて出来る分、難しいと感じるときもあります。色を埋めていくことが難しくもあり、楽しさでもあります。」とお話してくださいました。

つくり手である利用者の方の個性と想いが詰まった唯一無二のポケット。「どんな一枚と巡り合えるかな。」そんな出会いも楽しみになりそうです。

 

確かな品質と丁寧な手仕事が織りなす技 ~「地域作業所hana」~

ポケットの縫い付けは、千葉県木更津駅近くにある「地域作業所hana」で制作されています。hanaでは、障がいのある方一人一人の目的や個性に応じたサポートがされていて、利用者の方の希望や得意分野に寄り添って作業分担を決めているのだそうです。
主な取り組みは、縫製作業の他、新聞エコバッグ&封筒作り、製菓、ブランド雑貨の製造、内職作業、メール便配達などが行われています。

取材に伺った日は、4名の方がミシンで縫製作業をされていました。hanaでは裁縫技術が高い利用者の方が多くいらっしゃり、スタッフによる技術向上のサポートもされているそうです。

「Chikuchiku」の縫い付けはミシンを使って行います。ポケットは動きやすくよれやすいので緻密な作業が求められるため、hanaのスタッフの方と作業内容を確認しながら丁寧に進めていきます。

「Chikuchiku」の縫製作業について、利用者の方にお話を伺ったところ「大変だけどとても楽しいです。」とお話してくださいました。

丁寧に縫製された完成品は大変クオリティが高く、利用者の方やスタッフのみなさんによって日々切磋琢磨されている技術の賜物だなと改めて感じました。

2つの事業所での手仕事を通じて、丹念に作られた「Chikuchiku」。今回制作の現場を取材させていただき、つくり手の方のアイディアや自由な発想と、真摯に向き合う姿勢、高い技術力によってうみ出されている唯一無二のアイテムだと感じました。

製品を通じて、制作されている利用者の方の「ものづくり」について知っていただく機会になったら嬉しいです。

●Chikuchiku 詳細はこちら